新卒一年目で適応障害になった話-2

 

職してしばらくは良かった。嫌なことから逃れられる単純な解放感。だけど、そんな気持ちでいられるのも長くはなかった。少しずつ「何もしていない自分」を意識し始める。仕事もせず、何も生み出さず、のうのうと生きている自分。生産性がない。人生に意義がない。だから私には価値がない。自由落下のような速度で暗闇に飲み込まれていった。「焦らなくていいよ」「ゆっくり休んでね」なんて言われるけど、それってどうやるんだ?仕事から離れれば楽になるんじゃなかったっけ?ざわざわと胸騒ぎばかりして、楽に自殺できる方法を検索したりした。そんなものは無くて、ああ死ぬのにも体力がいるんだと思い知って、ベッドに入って、眠れない。休職したのにメンタルはどん底だった。毎日のように泣いていた。聴覚過敏になって、どこへ行くにもイヤホンが欠かせなくなった。趣味の読書もできなくなった。友人はみんな仕事に一生懸命でキラキラして見えた。たった一年で躓いてる自分が情けなくて仕方なかった。未来には絶望しかないと本気で思っていた。無意識に悪い方向へ思考が引っ張られる感覚。芥川龍之介の『歯車』みたいに、一度回りだしたら止まらない負のループ。苦しい。何にも縛られていないはずなのに、自分で自分を締め付けて苦しい。このままじゃダメだ。どうにかしてこれを断ち切らないと。そう思った私は、試行錯誤の末に「考えないこと」を意識するようになった。(次回に続く)

 

 

// NOW PLAYING: Bad Day (싫은 날)- IU //

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아주 깜깜한 비나 내렸음 좋겠네

(真っ黒な雨でも降ればいいのに)