新卒一年目で適応障害になった話-1

 

然、日本語が分からなくなった。いつも通り頭がパンクしながらデスクに戻ると一通のメールが。『急ぎ案件。15時までにお願いします』バチン、と、脳のどこかが焼き切れるような感覚がした。「急ぎ」は「いそぎ」と読む。「案件」も「あんけん」だ。……どういうこと?え、全然分からない。私は何をどうすればいい?指示の内容が理解できないんじゃない。文章の意味が分からない。日本語という文字は認識できても、意味を伴っていない状況。この時初めて、私は心療内科の受診を決心した。思い返せば兆候はあった。突然流れる涙、物理的に苦しくなる胸、過剰に動きまくる心臓。諸々の症状を伝えると、あっさりと病名を告げられた。「適応障害ですねぇ。診断書出しましょうか」「え?あ、お願いします……?」こうして診断書を手に入れた私は、次の日から休職することになった。あまりのテンポ感に若干ついていけなかったが、裏を返せばそれだけ心は悲鳴をあげ続けていたということ。精神的な傷は目に見えないけど、どれだけ無視しても我慢してもダメージはちゃんと蓄積されているんだなあ。そこまでメンタルが弱い方ではないはずなのに、まさか私が心療内科の患者になるとは。『抗不安薬』と書かれた処方箋を見て複雑な気持ちになった。社会の荒波へ漕ぎ出して一年目。まさかの落とし穴に動揺しつつ、しばらく職場から離れる生活を送る。でも本当に辛いのはここからだった。(次回に続く)

 

 

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"My happy little pill"

"Take me away"